くらべて原子力

原子力施設の基本設計をくらべるブログです。

日本初の110万kW級大型BWR炉!東海第二原発|日本原電

日本原電の東海第二原発を紹介します。

東海第二原発について知りたい方は、参考にしてみてください。

東海第二原発の場所や建屋配置を確認!

東海第二原発は茨城県の東海村にあります。

なお、東海第二原発と同じ敷地には他に東海発電所がありますが、東海発電所はすでに廃炉となることが決まっています。

東海第二原発の運転などに必要な主な設備は、「原子炉建屋」、「タービン建屋」と「補機建家」の3つの建屋にわかれて置かれていて、これらの建屋が太平洋に面して建てられています。

東海第二原発の「原子炉建屋」では、運転時には原子炉圧力容器のなかでウランやプルトニウムといった燃料が中性子と衝突し核分裂を引き起こすことにより大きな熱が生まれます。

この熱を利用して作り出した高温・高圧の蒸気を、「タービン建屋」の巨大なタービンへ送り出しタービンを回転させて発電しています。

運転や設備の監視、換気空調などの管理は「補機建家」の中央制御室から行われます。

また、廃棄物の処理などは「廃棄物処理建屋」で行われます。

フロアマップで東海第二原発の部屋の場所や設備の位置をつかもう!

東海第二原発は、原子炉の主な設備である原子炉圧力容器などがあるコンクリート造りの地上6階地下1階の「原子炉建屋」や発電のために必要なタービンや発電機などがある地上3階地下1階の「タービン建屋」、運転や設備の監視、換気空調などを管理している地上2階地下1階の「補機建家」、廃棄物処理を行う地上1階地下1階の「廃棄物処理建屋」から構成されています。

                         
      原子炉建屋  
  補機建家 タービン建屋 二次格納施設 廃棄物処理建屋
    原子炉建屋クレーン  
  6F 除染場 ドライヤー
セパレータ
貯蔵プール
使用済燃料
プール
  新燃料貯蔵庫
  5F 燃料プール脱塩器 原子炉
圧力容器
  原子炉浄化系脱塩器
  ほう酸水注入タンク
  4F CRD修理室 燃料プール冷却浄化系
レシーバタンク
  原子炉浄化系レシーバタンク
  原子炉浄化系熱交換器
  3F 排ガス活性炭ベッド 遠心分離器
    タービン建屋クレーン 制御棒駆動水制御ユニット 廃液濃縮器
  2F 計器修理場 タービン建屋供給ファン 中間阻止弁 主蒸気
止め弁
高圧タービン
低圧タービン
発電機 主蒸気管 再循環ポンプ 廃液濃縮器
  中央制御室 サージタンク 給水ポンプタービン 給水管 原子炉浄化系ポンプ 凝集沈殿装置
      TIP駆動装置   ホッパー
  1F 排気ガス消音器 補機冷却系ポンプ ベーラー室 主蒸気管 復水器 サプレッションプール 廃液サンプルタンク
  バッテリー室 補遺冷却系熱交換器 低圧給水加熱器 減衰管
    湿分分離器 排ガス再結合器 活性炭希ガスホールドアップ装置
  消火用ポンプ 所内ボイラー フィルタ
  電動給水ポンプ 空気抽出機 脱塩器
  高圧給水加熱器 真空ポンプ プレコートタンク
  密封油装置   廃棄物処理操作室
  相分離母線  
  B1F スイッチギア室 バッチオイルタンク 空気貯槽タンク 復水脱塩装置 RHR熱交換器 サプレッションチェンバ 廃液収集タンク
  非常用ディーゼル発電機 制御用油圧装置 空気圧縮機 RCICポンプタービン 床ドレン収集タンク
  HPCSディーゼル発電機機械室 計装用空気圧縮機 脱塩装置制御盤 LPCSポンプ サージタンク
  非常用ディーゼル発電機機械室 所内用空気圧縮機 脱塩装置循環ポンプ RHRポンプ 排気スラッジ貯蔵タンク
    再生装置 高圧復水ポンプ HPCSポンプ 廃液中和タンク
  樹脂ストレーナ 低圧給水加熱器   濃縮廃液貯蔵タンク
  超音波樹脂洗浄機 低圧復水ポンプ ランドリードレンタンク
    給水加熱器ドレンポンプ 床ドレンスラッジタンク

参照:東海第二発電所原子炉設置許可申請書 昭和46年12月(昭和47年11月15日一部訂正)の平面図および断面図を参考に作成

東海第二原発の3つの大きな特長!

東海第二原発は日本発の110万kW級の大型BWRとして1978年に運転開始した当時最新の原発です。

東海第二原発の3つの大きな特長を見ていきましょう。

格納容器の構造を単純化して耐震性を改善!MARK-Ⅱ原子炉格納容器を採用

建設中の東海第二原発の原子炉格納容器

参照:エネルギーフォーラム .エネルギーフォーラム .1988-12

東海第二原発の原子炉格納容器は、従来のフラスコ型の原子炉格納容器である「MARK-Ⅰ型」に比べ構造を単純化した「MARK-Ⅱ型」の原子炉格納容器を採用しています。

BWRの格納容器には、原発のなかの放射性物質が原発の外へ漏れ出てしまうことを防ぐ役割があります。

もし地震や事故などにより格納容器のなかの大きな配管が完全に割れててしまうと、放射性物質を含む高温の水が格納容器のなかに漏れて拡がります。この漏れた高温の水からは放射性物質を含む蒸気が発生し、そのまま放っておくと発生する蒸気により格納容器のなかの圧力が上がり、格納容器のすき間から放射性物質を含む蒸気が出ていき、やがては原発の外へ放射性物質が漏れ出てしまうおそれがあるのです。

これを防ぐためにBWRの格納容器は、漏れてしまった放射性物質を含む高温の水をサプレッションプールへ移し冷やすことにより、高温の水から出てくる蒸気を水へもどし格納容器のなかの圧力が上がるのを抑えることにより、原発の外へ放射性物質が漏れ出てしまうことを防ぐ設計となっていて、これはたとえ大きな地震が起きたときでもきちんと働くようにしなければいけません。

従来の「MARK-Ⅰ型」の格納容器は、フラスコ型のドライウェルという空間とドーナツ型のサプレッションプールからなり、その間をベントチューブという通路で結合するという複雑な構造になっていて、地震のときでも働くように耐震設計に特に配慮が必要でした。

東海第二原発で採用する「MARK-Ⅱ型」の格納容器は、ドライウェルとサブレッションプールが一体となっている単純な構造となっているため、耐震性が改善されています。

参照:火力原子力発電技術協会.火力原子力発電.1974-02

発電量の制御の信頼性を向上!再循環流量制御弁を採用

東海第二原発の再循環流量制御弁の構造図

参照:日本原子力発電株式会社.東海第二発電所 第21回定期検査の開始について.平成17年4月21日

東海第二原発の発電量の制御は、従来ほかの原発で用いられてきた「M-Gセット」(Motor:電動機、Generator:発電機)に比べシステムを単純化した「再循環流量制御弁」を採用し、信頼性を向上しています。

BWRの発電量の制御:「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」の流量を制御

BWRの発電量の制御のひとつとして、「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」の流量の制御があります。

BWRでは、原子炉圧力容器のなかの水の沸騰の程度を調整することにより、蒸気の発生する量とタービンの回転数を変えて発電量を制御することができます。

BWRには、原子炉圧力容器のなかの水の沸騰により気泡が増えると核分裂反応が少なくなり、逆に気泡が減ると核分裂反応が多くなるという特性があります。

発生する気泡の量は「原子炉圧力容器のなかへ送り込む水」の流量を変えることにより調整していて、「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」の流量を減らすと、少なくなった原子炉圧力容器のなかの水が沸騰しやすくなり一時的に気泡が増えますが、核分裂反応が少なくなるため発生する蒸気の量がある程度減ったところでバランスすることで、タービンの回転数が低くなり発電量は減ります。

逆に、「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」の流量を増やすと、多くなった原子炉圧力容器のなかの水が沸騰しにくくなり一時的に気泡が減りますが、核分裂反応が多くなるため発生する蒸気の量がある程度増えたところでバランスすることで、タービンの回転数が高くなり発電量は増えます。

つまり、BWRでは、「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」の流量を調整することにより、蒸気が発生する量とタービンの回転数を変えて発電量を制御することができるのです。

なお、「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」はタービンを回すために使った蒸気を水に戻し再び循環させて使うことから、「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」により確保する流量のことを「再循環流量」と呼んでいます。

従来の調整方法と東海第二原発の調整方法

従来の原発で用いられてきた「M-Gセット」は、「原子炉圧力容器の中へ送り込む水」の流量を調整するために再循環ポンプの回転数を変える複雑な構成になっていて、再循環ポンプの回転数を変えてから実際に流量が変わるまでの応答時間や発電量の制御に配慮が必要でした。

東海第二原発で採用する「再循環流量制御弁」は、一定流量を流す再循環ポンプとその流量を絞ったり緩めたりする弁の組み合わせからなる単純な構成となっているため、流量が変わるまでの応答時間や発電量の制御の信頼性が向上しています。

参照:火力原子力発電技術協会.火力原子力発電.1974-02

 

タービン周りの可動部分などからの放射性物質の漏えいを防止!清浄蒸気による軸封装置の採用

東海第二原発で採用している軸封装置

参照:火力原子力発電技術協会.火力原子力発電.1974-02

東海第二原発で採用している軸封装置で使われている蒸気は従来の軸封装置で使われている蒸気と比べて、放射性物質を含まずに安全だという特徴があります。

くわしくは同じような設備である以下を参照ください。

 

東海第二原発の口コミ・評判は実際どう?【関心のある人の感想・レビュー】

ここでは東海第二原発の口コミをみていきましょう。

順番に確認してきましょう。

東海第二原発のいい評判・口コミ

東海第二原発のいい口コミを調査したところ、東海第二原発が新規制基準に合格していることや電気の安定供給などを評価し再稼働に肯定的な評判があることがわかりました。

 

 

 

 

東海第二原発の悪い評判・口コミ

東海第二原発の悪い口コミを調査したところ、住民の避難や首都圏からの近さ、原発の試験片の不足などから再稼働に否定的な評判があることがわかりました。

 

 

 

 

東海第二原発へのアクセスを紹介!

東海村は茨城県那珂郡に位置しており、周辺には東海十二景と呼ばれる自然や歴史的な観光地があり、新鮮で栄養豊富な農産物などを食べられることで有名です。

東海第二原発までのアクセスや移動にかかる所要時間は出発地点や交通手段、出発時刻により大幅に異なりますが、東京からは新幹線や在来線、バス、徒歩を組み合わせて3時間程度が目安です。また、大阪からは在来線、新幹線、バス、徒歩を組み合わせて5時間程度が目安となります。

主要都市 出発地点 交通手段 所要時間の目安
札幌市 札幌駅 在来線、飛行機、徒歩、バス 約6時間
東京都 東京駅 徒歩、在来線、徒歩 約3時間
名古屋 名古屋駅 新幹線、在来線、徒歩 約4時間
大阪府 大阪駅 在来線、新幹線、徒歩、バス 約5時間
福岡市 博多駅 在来線、飛行機、在来線、バス、徒歩 約6時間

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