くらべて原子力

原子力施設の基本設計をくらべるブログです。

日本国内で最初に運転を開始した 第二次改良標準型の大型PWR! 大飯原発3,4号機|関西電力

関西電力の大飯原発3、4号機を紹介します。

大飯原発3、4号機について知りたい方は、参考にしてみてください。

大飯原発3、4号機の場所や建屋配置を確認!

大飯原発3、4号機は茨城県の東海村にあります。

なお、大飯原発3、4号機と同じ敷地には他に大飯原発1、2号機がありますが、大飯原発1、2号機はすでに廃炉となることが決まっています。

大飯原発3、4号機の運転などに必要な主な設備は、「原子炉格納施設」、「タービン建屋」と「原子炉補助建屋」の3つの建屋にわかれて置かれていて、これらの建屋が若狭湾に面して建てられています。

大飯原発3、4号機の「原子炉格納施設」では、運転時には原子炉圧力容器のなかでウランやプルトニウムといった燃料が中性子と衝突し核分裂を引き起こすことにより大きな熱が生まれます。

この熱を利用して作り出した高温・高圧の蒸気を、「タービン建屋」の巨大なタービンへ送り出しタービンを回転させて発電しています。

運転や設備の監視、換気空調などの管理は「原子炉補助建屋」の中央制御室から行われます。

フロアマップで大飯原発3、4号機の部屋の場所や設備の位置をつかもう!

大飯原発3、4号機は、原子炉の主な設備である原子炉圧力容器などがあるコンクリート造りの地上4階地下1階の「原子炉格納施設」や発電のために必要なタービンや発電機などがある地上3階地下1階の「タービン建屋」、運転や設備の監視、換気空調などを管理している地上4階地下1階の「原子炉補助建屋」から構成されています。

                             
      3/4号炉原子炉格納施設  
  タービン建屋 原子炉補助建屋   原子炉補助建屋
    格納容器ポーラクレーン  
  4F   主蒸気・主給水管室 主蒸気・ 主給水管室 新燃料貯蔵庫 蒸気発生器 加圧器 加圧器 使用済燃料 ピット キャスク ピット 除染場ピット 除染場 ピット
 
  3F ガスサージタンク 復水ピット 原子炉 容器 1次冷却材ポンプ 燃料取替 用水ピット
  換気空調機械室 脱塩塔
  脱気器 フィルタ
  2F 蒸気タービン 中央制御室 体積制御タンク 蓄圧タンク ほう酸 タンク
  発電機 冷却材貯蔵タンク
  湿分分離加熱器 1次系純水タンク 加圧器 逃しタンク
  給水加熱器 廃液蒸発装置
    ほう酸回収装置
  1F 給水加熱器 電気室 出入管理室 充填ポンプ   ディーゼル 発電機室
  主油タンク 安全補機開閉器室 格納容器スプレイ冷却器
  余熱除去冷却器
  冷却材貯蔵タンク
  1次系純水タンク
  廃液貯蔵タンク
  使用済樹脂貯蔵タンク
  BF 復水器 原子炉補機冷却水冷却器 高圧注入ポンプ   ディーゼル 発電機補機室
  電動主給水ポンプ 原子炉補機冷却水ポンプ 格納容器スプレイポンプ
  タービン動主給水ポンプ   余熱除去ポンプ
  軸受冷却水ポンプ  
  軸受冷却水冷却器

参照:大飯発電所原子炉設置変更許可申請書(3,4号炉増設) 昭和60年2月の平面図および断面図を参考に作成

大飯原発3、4号機の3つの大きな特長!

大飯原発3、4号機はそれぞれ平成3年と平成5年に運転開始した当時最新の原発です。

大飯原発3、4号機の3つの大きな特長を見ていきましょう。

大型化でも耐震性を確保!プレストレストコンクリート製格納容器を採用

参照:山本等.大飯原子力発電所3・4号機PCCVにおけるコンクリート工事.1991-02

大飯原発3、4号機の原子炉格納容器は、従来の金属製の格納容器に比べ頑丈なプレストレストコンクリート製格納容器を採用しています。

PWRの格納容器には、原発のなかの放射性物質が原発の外へ漏れ出てしまうことを防ぐ役割があります。

もし地震や事故などにより格納容器のなかの大きな配管が完全に割れててしまうと、放射性物質を含む高温の水が格納容器のなかに漏れて拡がります。この漏れた高温の水からは放射性物質を含む高圧の蒸気が発生し、そのまま放っておくと発生する高圧の蒸気により格納容器のなかの圧力が上がり格納容器が壊れ、やがては原発の外へ放射性物質が漏れ出てしまうおそれがあるのです。

これを防ぐためにPWRの格納容器は、高圧の蒸気の圧力に耐えるようにし、原発の外へ放射性物質が漏れ出てしまうことを防ぐ設計となっていて、これはたとえ大きな地震が起きたときでもきちんと働くようにしなければいけません。

従来の金属製の格納容器は大型化には不向きな構造になっていて、地震のときでも働くようなきちんとした耐震設計は難しかったのです。

大飯原発3、4号機で採用するプレストレストコンクリート製格納容器はコンクリートと金属製の特殊なワイヤーの組み合わせからできており、あらかじめ金属製のワイヤーで格納容器全体を締め付けるような構造となっているため、高圧の蒸気からの圧力に強く耐震性も確保されています。

参照:山本等.大飯原子力発電所3・4号機PCCVにおけるコンクリート工事.1991-02

原子炉圧力容器の信頼性が向上!一体化材料を採用し溶接を低減

参照:火力原子力発電技術協会.火力原子力発電.1989-07

大飯原発3、4号機の原子炉圧力容器は、いくつもの金属製の板を溶接でつなぎ作られた、従来ほかの原発で用いられてきた圧力容器ではなく、ひとつの大きな金属の塊を加工して作られた一体化材料を採用し、より丈夫になり信頼性を向上しています。

 

原発の燃料やタービン、中央制御室が見学可能!日本発のシースルー形式の見学施設を採用

参照:麹町出版.国会画報.1994-01

大飯原発4号機では、日本発のシースルー形式の「大飯四号機見学用施設」が一般公開されていました。

通常では立ち入ることができない原発の施設の一部である原発の燃料や発電のためのタービン、原発の運転を制御する中央制御室を、防護服などに着替えることなく普段着のままで見学することができました。

画期的な見学施設でしたが、現在はテロ対策などの理由で見学はできません。

参照:麹町出版.国会画報.1994-01

 

大飯原発3、4号機の口コミ・評判は実際どう?【関心のある人の感想・レビュー】

ここでは大飯原発3、4号機の口コミをみていきましょう。

順番に確認してきましょう。

大飯原発3、4号機のいい評判・口コミ

大飯原発3、4号機のいい口コミを調査したところ、燃料費高騰への対策などを評価し再稼働に肯定的な評判があることがわかりました。

 

 

 

 

大飯原発3、4号機の悪い評判・口コミ

大飯原発3、4号機の悪い口コミを調査したところ、安全性や使用済燃料の処理問題などから再稼働に否定的な評判があることがわかりました。

 

 

 

 

大飯原発3、4号機へのアクセスを紹介!

おおい町は福井県大飯郡に位置しており、周辺には日本最大級の砂丘である越前海岸や国の名勝に指定された東尋坊など自然や歴史的な観光地があり、新鮮で栄養豊富な海産物などを食べられることで有名です。

大飯原発3、4号機までのアクセスや移動にかかる所要時間は出発地点や交通手段、出発時刻により大幅に異なりますが、東京からは新幹線や在来線、バスを組み合わせて7時間程度が目安です。また、大阪からは在来線、バスを組み合わせて5時間程度が目安となります。

主要都市 出発地点 交通手段 所要時間の目安
札幌市 札幌駅 在来線、飛行機、バス 約8時間
東京都 東京駅 新幹線、在来線、バス 約7時間
名古屋 名古屋駅 新幹線、在来線、バス 約5時間
大阪府 大阪駅 在来線、バス 約5時間
福岡市 博多駅 新幹線、在来線、バス 約6時間

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