くらべて原子力

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福島事故後の新規制基準のもとで全国で最初に再稼働を果たした原発!川内原子力発電所1,2号機|九州電力

九州電力の川内原子力発電所1、2号機を紹介します。

川内1、2号機について知りたい方は、参考にしてみてください。

川内1、2号機の場所や建屋配置を確認!

川内1、2号機は鹿児島県の川内市にあります。

川内1、2号機の運転などに必要な主な設備は、「原子炉格納施設」、「タービン建屋」と「原子炉補助建屋」の3つの建屋にわかれて置かれています。

川内1、2号機の「原子炉格納施設」では、運転時には原子炉圧力容器のなかでウランやプルトニウムといった燃料が中性子と衝突し核分裂を引き起こすことにより大きな熱が生まれます。

この熱を利用して作り出した高温・高圧の蒸気を、「タービン建屋」の巨大なタービンへ送り出しタービンを回転させて発電しています。

運転や設備の監視、換気空調などの管理は「原子炉補助建屋」の中央制御室から行われます。

フロアマップで川内1、2号機の部屋の場所や設備の位置をつかもう!

川内1、2号機は、原子炉の主な設備である原子炉容器などがあるコンクリート造りの地上2階地下5階の「原子炉格納施設」や発電のために必要なタービンや発電機などがある地上2階地下1階の「タービン建屋」、運転や設備の監視、換気空調などを管理している地上2階地下5階の「原子炉補助建屋」から構成されています。

下のフロアマップをクリックすると一部の設備や部屋の詳しい説明を見ることができます。

                               
  タービン建屋         1/2号炉原子炉格納施設        
    原子炉補助建屋       燃料取扱建屋 廃棄物処理建屋
タービン建屋天井クレーン           ポーラ・クレーン          
2F 発電機 給水
加熱器
(高圧
低圧)
中央制御室 リレー室 換気空調装置室   燃料取扱建屋クレーン 換気空調装置室
湿分分離加熱器 計算機室
1F 脱気器 ケーブル処理室 主蒸気管室 ほう酸補給タンク 廃液蒸発装置 加圧器 原子炉
圧力容器
蒸気発生器 新燃料
貯蔵庫
除染場 使用済
燃料
ピット
キャスク
ピット
焼却炉
安全補機開閉器室 1次系純水タンク ドラム詰室 ドラム詰操作室
格納容器漏洩試験室 復水タンク   セラミックフィルタ
給水
ポンプ
ディーゼル発電機室 燃料取替用水タンク    
B1F 復水器 原子炉補機
冷却水冷却器
放射線
管理室
モニタタンク ほう酸タンク フィルタ室 廃液受入タンク
復水ポンプ 洗浄排水濃縮液タンク ほう酸回収装置 ガス圧縮装置
給水ブースタポンプ 常設電動
注入ポンプ
洗浄排水高濃縮装置 体積制御タンク   蓄圧タンク
油タンク ドラム詰バッチタンク ガス減衰タンク 1次冷却材ポンプ
B2F     制御用空気圧縮機 冷却材貯蔵タンク 封水冷却器 再生熱交換器    
    コントロールタワー空調用冷凍機 脱塩塔 非再生冷却器  
    補助給水ポンプ よう素除去薬品タンク 充てん/高圧注入ポンプ  
B3F         余熱除去冷却器 ほう酸回収装置 加圧器逃しタンク          
        廃液貯蔵タンク C/Vスプレイ冷却器 使用済樹脂貯蔵タンク          
B4F         安全補機室              
                 
B5F         湧水ピット          
        C/Vスプレイポンプ          
        余熱除去ポンプ          

川内原子力発電所原子炉設置変更許可申請書(1号及び2号原子炉施設の変更)平成16年11月 添付書類八を参考に作成

川内1、2号機の2つの大きな特長!先行プラントの経験や第一次標準改良計画の成果を積極的に採用!

川内1、2号機は先行プラントの経験や第一次標準改良計画の成果を積極的に採用した建設当時最新の原発です。

川内1、2号機では原子炉格納容器(下図参照)を大型化することにより、格納容器内の作業性を向上した他に大きく2つの特長があります。

左図参照:開発行政懇話会.開発往来.1981-12

右図参照:麹町出版.国会画報.1984-09

川内1、2号機の2つの大きな特長を見ていきましょう。

燃料の安全性向上と経済的な運転を実現!改良型燃料の採用

原発で使うウランやプルトニウムといった燃料は、上左の図のような小さな円柱の形をした燃料ペレットとして固められていますが、この燃料ペレットは縦にいくつも積み重ねられた状態で燃料棒と呼ばれる金属製の筒のなかに入れられ、さらにこのような燃料棒をいくつも束ねた燃料集合体として原子炉圧力容器の中に置かれています。

PWRでは、燃料ペレットのなかのウランやプルトニウムが核分裂により発熱し、その熱が燃料ペレットから燃料棒へ、さらに燃料棒から燃料棒に接する水に伝わることで、高温となった水が循環することにより発電しています。

このとき、燃料棒から燃料棒に接する水に伝わる熱が多すぎると、燃料棒に接する水が高温になり沸騰し気泡となるため、燃料ペレットから発生する熱をうまく燃料棒の外へ伝えることができなくなり、伝わる先を失った熱により燃料棒の温度が上昇することで、最悪の場合はやがて燃料ペレット自体が溶けてしまうことが考えられます。

このようなことを避けるためにも、燃料棒から燃料棒に接する水に伝わる熱を少なくする必要がありますが、一方できちんと発電できることも重要です。

川内原発で使われる燃料集合体では、きちんと発電できるように燃料の量は変えないかわりに、燃料集合体を構成する一本一本の燃料棒を細く(10.72mm→9.5mm)することにより、燃料棒の表面積を約15%増やすことで、燃料棒から燃料棒に接する水に伝わる熱を少なくすることができ、安全上の余裕が大きくなりました。

また、燃料棒はその高さが約4mと長いことから燃料棒の両端で束ねるだけではなく、途中にいくつもの支持格子と呼ばれる部品を付けサポートすることで燃料集合体としてまとめてあります。

燃料集合体の一本一本の燃料棒は、原発の運転中に高温になり曲がってしまうことがあり、燃料棒が曲がったままだと燃料棒同士が接触するなどしその健全性に影響を与えるおそれがあるため、まだ使うことができる燃料でも途中で原子炉圧力容器から取り出し新しい燃料と交換しなければならないことから、原発の経済的な運転のためにも燃料棒の曲がりはできる限り小さくする必要があります。

川内原発で使われる燃料集合体では、支持格子の数を従来の7か所から9か所へ増やすことにより、運転中の燃料棒の曲がりが大幅に少なくすることができ、安全で経済的な運転ができるようになりました。

参照:火力原子力発電技術協会.火力原子力発電.1982-01

川内原発に特有の環境に対応!チタン管復水器の採用

原発では高温の蒸気を使ってタービンを回して発電しますが、使い終わった蒸気を復水器と呼ばれる設備(上図参照)を使って冷やし水に戻し、ふたたび高温の蒸気にするということを繰り返しています。

復水器では蒸気を冷やすために、蒸気と隣り合うように蒸気よりも温度の低い海水を流すことにより、熱が移るようにしています。ただし、蒸気と海水をそのまま流すとこれら2つが混ざり合うことで、塩分を含む海水が原発に入り込み設備を傷めてしまい、原発の運転ができなくなることから、蒸気と海水が混ざりあわず熱だけがよく移るように薄い金属で仕切る作りとしています。

川内原発の海岸には他の原発には見られない特有の細かい砂粒があり、これが海水とともに復水器に取り込まれた場合、復水器の中の金属の仕切りがけずれて穴が開き蒸気と海水が混ざり合うことで、塩分を含む海水が原発に入り込み設備を傷めてしまい、原発の運転ができなくなることが考えられました。

この問題を解決するために、川内原発では復水器の金属の仕切りの素材にチタンと呼ばれる丈夫な金属を使うことにしましたが、一方でチタンにはステンレスや銅などの金属とは異なり、藻類やフジツボなどの海生物が付着しやすいという欠点(下図参照:ポンプに付着した貝類)があるため、同時にスポンジボール洗浄装置(下図参照)と呼ばれる専用の装置を設置することにしました。

 

 

川内原発の口コミ・評判は実際どう?【関心のある人の感想・レビュー】

ここでは川内原発の口コミをみていきましょう。

順番に確認してきましょう。

川内原発のいい評判・口コミ

川内原発のいい口コミを調査したところ、電気の供給や電気料金の観点から再稼働に肯定的な評判があることがわかりました。

 

 

 

 

川内原発の悪い評判・口コミ

川内原発の悪い口コミを調査したところ、耐震基準の見直しの遅れや40年超運転の申請、火山噴火の不安などから再稼働に否定的な評判があることがわかりました。

 

 

 

 

川内原発へのアクセスを紹介!

川内市は鹿児島県の北西部に位置し、大河ドラマ「西郷どん」のロケ地に選ばれた入来町にある「長野滝」をはじめ、ラムサール条約に指定された湿地「藺牟田池」、西郷隆盛も通ったと伝えられる約800年の歴史を誇る温泉郷、かつて「薩摩国一の宮」と称され親しまれてきた「新田神社」などで有名です。

川内原発までのアクセスや移動にかかる所要時間は出発地点や交通手段、出発時刻により大幅に異なりますが、東京からは飛行機や在来線、バス、徒歩を組み合わせて6時間程度が目安です。また、大阪からは新幹線、在来線、バス、徒歩を組み合わせて7時間程度が目安となります。

主要都市 出発地点 交通手段 所要時間の目安
札幌市 札幌駅 飛行機、在来線、バス、徒歩 約8時間
東京都 東京駅 飛行機、在来線、バス、徒歩 約6時間
名古屋 名古屋駅 新幹線、在来線、バス、徒歩 約7時間
大阪府 大阪駅 新幹線、在来線、バス、徒歩 約7時間
福岡市 博多駅 新幹線、在来線、バス、徒歩 約3時間

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